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ランナー・イン・ザ・ライス

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 実家が米農家で、人手が必要な田植え前だけ手伝っていた。手伝うとは言っても、力も技もない子供に出来ることは限られていて、アイスのお使いを任されることがあった。コンビニで人数分のさまざまなアイスを買い、田んぼへ戻る。「アイス買ってきたよー!」と大きな声で言うと「ちべてえの来たって」「いっぷくしよ」と大人達が作業の手を止めて集まってくる。コンビニの袋を広げてみんなに好きなものを選んでもらう。もちろん自分の分は先に確保している。川に足を浸してアイスを食べているとき、理屈っぽい子供は気がついた。ジュースは溶けないけど、アイスは溶けてしまうから、同じ時間に集まって食べないといけないんだ!

 方言を話せなくても、私は田んぼの中のお使い役だった。

 5月、アイスがぎゅうぎゅうに詰まったコンビニの袋を持って、トラクターの轍のある畦道を走っていく。ビニールハウスからのムッとする熱風と、初夏の冷たい風を交互に感じる。明るい日差しの中にみんなの姿が見えて、休憩を知らせるために息を大きく吸い込む。泥と汗の匂いがする。


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